◆ localhost forwarding は localhost でアクセスしたときだけ
  ◆ IP アドレスでのアクセスだと その Windows 自身からでもつながらない
  ◆ 外部からは WSL2 へアクセスできない
◆ 対処はポートフォワードかブリッジ接続化
  ◆ どっちも結構面倒なので WSL1 という選択もありかもしれない

前に WSL は全部 2 にしてもいいかなと書いたときには気づかなかった問題が見つかりました
localhost forwarding のおかげで Windows から Linux へのアクセスは localhost を使ってアクセスできます

例えば WSL2 内で

python3 -m http.server

を使って Web サーバを起動したなら Windows で localhost:8000 にアクセスすればウェブページにアクセスできます
ですがこれは localhost という名前を使ったときだけという特殊な仕様みたいでした

Windows の IP アドレスが 192.168.1.5 だとすると Windows から 192.168.1.5:8000 にアクセスしてもウェブページにはつながりません
ということはもちろん別の PC からのアクセスでもつながらないです

外部に公開したくないならリッスンする IP アドレスを制限したりファイアウォールでブロックするので localhost に限らず Windows へのアクセスで WSL がリッスンしてるポートなら WSL に流してほしいです

対処方法

探してみると対処方法は出てきますが 面倒なもので外部公開がメインなら WSL1 のままでいいやと思えるものでした

1 つめはポートフォワードです
WSL2 は Windows 内部の仮想マシンとして動いていて ネットワークも Windows 内部のものですから そうなるよねというものです
Windows の特定のポートにアクセスされたら WSL2 のポートに転送するよう設定します
ポートフォワードできれば良いので やり方はコマンドの実行とか専用ソフトを使うとか色々あると思います
再起動のたびにポートフォワードを有効にしないといけないのと WSL2 側の IP アドレスが固定ではなく変わる可能性があるので少し工夫が必要らしいです
VirtualBox の仮想マシンだとポートフォワードの設定も GUI からお手軽設定で一度設定すれば済んだのに WSL ではこの辺があまり便利じゃないのが残念です

2 つめはブリッジ接続を使う方法です
VirtualBox を使うときでも Windows 内部のネットワークになると面倒が増えるので NAT ではなくブリッジ接続を使うことが多かったです
WSL2 でもブリッジ接続を使えるようです
設定の変更には Hyper-V マネージャを使います
WSL2 で要求されるのは Hyper-V のサブセットの仮想マシンプラットフォームであって Hyper-V 自体が必要ではないのでこのツールがインストールされてないこともあるようです
そのためかあまりこの方法を使ってる人はいないみたいです
私の環境だと Hyper-V マネージャが入っていたのでこっちにしました

設定方法は まず Hyper-V マネージャを開いて右側サイドバーの仮想スイッチマネージャを開きます
その中で WSL を選択して接続の種類を外部ネットワークに変更します
このときに WSL は終了させておかないとだめみたいです
起動したままだとエラーになりました

変更して WSL を起動すれば問題なく切り替わって……いたらよかったのですが WSL2 内部のネットワーク設定は自動で変わってくれないようです
VirtualBox だと切り替えるたびに仮想マシン内の設定はいらなかったのに不便ですね
このままだとどこにもつながらないので手動で変更が必要です
IP アドレスや DNS サーバやデフォルトゲートウェイを設定すると問題なく動くようになりました

ブリッジ接続化は思ったよりも面倒でした
これならポートフォワードを使う人が多いのもわかります
しかし 最初こそ面倒なものの 一度設定すればあとは楽です
WSL2 内でリッスンしてるポートに直接アクセスするだけです
ポートフォワードだと新しいポートを使うたびに設定したり ポートフォワード手段によっては何かの原因でポートフォワードが停止していて再実行ということもありえます
それにブリッジ接続化で一番面倒だった ネットワークの再設定はブリッジ接続化する前に一度起動していたからだと思います
この設定は WSL インスタンスごとではなくグローバルなので ブリッジ接続化したあとで作ったディストリビューションだと最初から問題なくつながるのかもしれません